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中村健太 写真展 「ハロー、グッバイ。」 に寄せて
若しくは「写真の読み方」として

本展「Kenta Nakamura Hello Goodbye(中村健太『ハロー、グッバイ。』)」は、昨年の五月に逝去した中村の祖母をストーリーの軸に据え、現在・過去というタイムラインに関係なく、既に起きた「出来事(=写真)」を新たな観点でレイアウトし、中村らしい〝方法〟で「祖母の死」を俯瞰した構成となっています。

一般的に「死」は「生」よりも受け入れ難い印象があります。しかし中村は、祖母の死を境に、それを「悲しい出来事」「縁起の悪いこと」というように、一方向では測れないものとして捉え、「生」と「死」を、始まりもなければ終わりもない「輪」のような関係だと考えるようになった、と言います。
本展のタイトル「Hello Goodbye」は、相対する言葉を同列に並べることで、中村の死生観を表現したものです。

さて、当たり前のことですが、写真は、すべて「過去」に起きた出来事を記録したものです。そして....例えば、デジカメの場合....写真家が見たものは、シャッターを切った瞬間、メモリに保存されます。メモリに記録できる画像は、画像の解像度にもよりますが、膨大な枚数にのぼります。そして、今回のような展示会を行う場合、写真家は、過去に撮った写真を現在に呼び出し、時間をかけてテーマに沿った写真をセレクトします。

それから、会場の広さ、展示する写真の点数、プリントの大きさ、横に並べる写真との関係性なども検討していく材料になります。また場合によっては、写真は本人が撮った時とは別の意味を持つことがあります。
本展の写真の中にも、同列に並んでいながら、撮影した時間、場所、記録した事柄が違うものが混在しています。中村は、写真同士の「韻」を踏むように、あるいはDJが異なる音楽を繋ぐように「再編集」し、全体のストーリーを組み立てています。

写真を見つめる時、自分自身(あなた)の経験を基準にして、写真家がどんな理由でシャッターを切ったのか、それはどんな場所だったか、また、それはいつ頃だったのか、なぜ、その写真をセレクトしたのか、隣合った写真と、どう関係しているのか....と、頭の中にあらゆる疑問を投げかけながら写真を読み解いてみてください。
写真を読むとは、「見えていない部分」を観ることですし、ある意味、自分自身との対話でもあります。当然、正解はありません。なぜなら、作家自身もまだ思考の途中なのですから。

この展覧会で、あなたが、何か、新しい感じ方や考え方に出会ったり、新しい言葉を獲得できたなら、私たちはとても嬉しいです。
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上記のテキストは、会場内に掲示しているものです。
さて、展示会に合わせて、IN THE PASTでは「時々可否」をオープンしています。IN THE PASTでイベントを開催する時期に合わせて時々OPENする喫茶コーナーです。

コーヒーは無農薬の豆を自家焙煎し、ドリップで一杯ずつ入れます。
また軽食や珈琲に合わせたスイーツは、PERMANENTを通して出会った生産者さんのものを中心に、自分たちの食卓でも日頃頂いている食材を使って、その季節に合わせたものを作ってお出しします。

化学調味料は一切使用せず、経緯を知った素材で、発酵や中医学なども加味し、身体に優しい、自分たちらしい料理を。
毎日でも食べたい料理を。提供できたらと思っています。こちらも是非。

<今回のメニュー>

●冬のミネストローネ
佐賀県鹿島市で自然農を実践されている藤井敬三さんの野菜(人参、玉ねぎ、蕪、ブロッコリー、ごぼう、蓮根、じゃがいも
佐賀県吉野ヶ里で無農薬有機栽培で大豆や米などを育てている大隈義昭さんの大豆
しめじとえのき
出汁は、野菜のベジブロス、大豆、塩


●ポケットサンド
大牟田の老舗パン屋「まるき」さんの胚芽角食の厚切りに、その日の具材を挟みます。
チリビーンズ(藤井さんの野菜と大隈さんの大豆、アリサンのレッドキドニー、鳥と豚のミンチ)
しっとりチキン(しっとりと蒸したハーブチキンとその日の野菜のラペなど)


●ブラウニー
卵やバターを一切使わず、絹ごし豆腐とkiitosのチョコレート(カカオ豆とキビ砂糖のみ)を使用。
またこの時期に食べておきたいクルミをたっぷり入れて焼き上げました。


●マフィン
植木町で有機栽培で野菜、米、小麦、卵などを育てられている里奏園・寄元さんの小麦(シラサギ)
大牟田で無農薬・無化学肥料で育てている「ブルーベリー研究所」の冷凍ブルーベリー
バターの量をなるべく減らし、米油を併用して焼いています。